この記事を書いた人 トリッパー編集部
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宇治に生まれた新名所! ニンテンドーミュージアムでゲームを遊んで学ぼう!
記事作成日: 2025-05-12
京都府宇治(うじ)市に誕生した「ニンテンドーミュージアム」は、展示の説明を読みながら館内を歩くタイプの博物館とは違う、任天堂ならではの工夫が詰まった施設です。
確かに「任天堂の代表的なおもちゃやゲーム機を集めた資料館」という側面もありますが、目玉となるのはユニークな体験展示の数々。かつて同じゲームに熱中した友人と訪れれば、次から次へと思い出話があふれ出すことでしょう。
そして、Nintendo Switchから任天堂の世界に入門した現代の子どもたちにとっては、館内で目にするものの多くは目新しく興味深いものばかり。知識のある大人が優しく教え、時には一緒に驚きながら進めば、いつも以上に話がはずむはずです。
今や世界中の人々から愛される任天堂のゲーム。その歴史を感じられるニンテンドーミュージアムを、徹底的にご紹介します。
目次
- 1. ニンテンドーミュージアムってどんな施設?
- 2. 2階の展示エリアはアクティブに楽しもう!
- 3. 1階の体験展示エリアでは計画的にコインを使おう!
- 3-1. ビッグコントローラー (必要コイン:2枚)
- 3-2. ザッパー&スコープSP (必要コイン:4枚)
- 3-3. ゲーム&ウオッチSP (必要コイン:1枚)
- 3-4. ウルトラハンドSP (必要コイン:1枚)
- 3-5. ウルトラマシンSP (必要コイン:2枚)
- 3-6. ラブテスターSP (必要コイン:2枚)
- 3-7. しぐれでんSP (必要コイン:2枚)
- 3-8. ニンテンドークラシック (必要コイン:1枚)
- 3-9. 花札作り&花札遊び体験も!
- 4. カフェやショップも任天堂らしさがいっぱい!
- 5. アクセスは電車+徒歩で!
- 6. 入館は予約制! チケットの予約方法と入手のコツ
- 7. 宇治へ行くならぜひこれも! おすすめ観光案内
- 8. ゲームのように自由にニンテンドーミュージアムを楽しもう!
ニンテンドーミュージアムってどんな施設?
デジタルなゲームが生まれてから現在に至るまで、様々な製品が世に送り出され、そして消えていきました。それらは誰かが適切に管理し続けなければ、次第に壊れ、あるいは失われてしまいます。そして、その役目と責任は平凡な生活を送るファンの手には余るものです。
任天堂もこの問題を重く見ていたため、「今後も増え続ける任天堂製品を管理し、未来の人々に末永く伝えていく」という目的で2024年10月2日「ニンテンドーミュージアム」に開業しました。それに加え、「新入社員に任天堂の歴史やものづくりの精神を肌で感じてもらうため」という動機も示されています。
つまり、その本質はあくまでも博物館や資料館であり、USJのスーパー・ニンテンドー・ワールドのような完全な娯楽施設とは違うわけです。ですが、ただの博物館では終わらないのが任天堂らしいところ。資料価値の高い展示をしながら、とても楽しい施設としてまとめあげています。
この施設が造られたのは宇治小倉工場の跡地です。1969年に玩具製造拠点として設立され、後に製品の保管・修理などの役割も果たすようになりましたが、2016年にその役目を終え、眠りについていました。この任天堂にとっても思い出深い工場が、未来へ続くミュージアムとして生まれ変わったのです。建物は2階建てで、1階と2階で展示の方向性が違います。2階の展示エリアから順に見ていきましょう。
2階の展示エリアはアクティブに楽しもう!
ミュージアムの2階は任天堂の製品が過去から現代へと並ぶ展示エリアです。1889年の創業当時から続く花札・トランプから始まり、時代を先駆けた携帯ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」やゲームセンターのゲームを家庭にもたらした「ファミリーコンピュータ」、そしてそれに続く「スーパーファミコン」からSwitchへ至る家庭用ゲーム機と、「ゲームボーイ」から「ニンテンドー3DS」へと受け継がれた携帯ゲーム機の本体・ソフト・周辺機器が展示されています。
(※正式名称はこのように「ファミリーコンピュータ」「スーパーファミコン」ですが、本記事では当時の雰囲気を重視して「ファミコン」「スーファミ」という愛称を採用します)
一般的な博物館や資料館では、展示に添えられた説明を読む受動的(パッシブ)な楽しみ方が主流です。しかし、ニンテンドーミュージアムは「ゲームと同じように自分でおもしろさを見つけ出してほしい」という考え方で、あえて説明を少なくしています。
普通なら「不親切」と言われてしまいそうですが、最初から最後までやるべきことが徹底的に指示されているゲームはつまらないものです。何より、対象はマイナーなものではなく、任天堂のゲームです。実際に遊んだものも多いでしょうし、「CMで見た」「名前は知っている」ものもたくさんあるでしょう。
目に映るアイテムを仲間やお子様と語り合えば時間は飛ぶようにすぎますし、一人旅で当時の思い出にどっぷりと浸るのも悪くありません。細かい説明が無いからこそ、かえって流し見するだけでは終わらないはずです。
また、人気のある博物館では「大混雑で見たいものに集中できなかった」ということもありますが、ニンテンドーミュージアムは予約制のため、極端に混雑してしまう心配もありません。(※予約については後の項目でくわしくご説明します)
1階の体験展示エリアでは計画的にコインを使おう!
1階はさまざまな体験展示に挑戦できるエリアとなっています。その際に必要なのは、入館時に与えられた10枚のコイン。これを体験展示に設定された数(※1・2・4枚)だけ消費することになります。
複数の体験展示に挑戦して使い切ることも、コイン1枚消費の展示を10回繰り返して終えることもできますが、重要なのは「コインの追加購入ができない」ということです。ただ順番に体験していくのではなく、「どの体験展示に何回トライするか?」というパズルゲームのようなおもしろさが味わえるのは、いかにも任天堂らしい造りと言えます。大切に貯めたおこづかいで有名な大作RPGを1本買うか、評価のわからない挑戦的なゲームを2本買うか……そんなドキドキ感を思い出すシステムです。
このエリアに現在用意されているのは、次のような体験展示です。待ち時間の話題に使えそうな豆知識と共にご紹介します。
ビッグコントローラー (必要コイン:2枚)
80年代のゲーム漫画には、巨大なコントローラーをバシバシと叩いて操作するダイナミックな場面が描かれました。当時のゲーム雑誌でも「あのコントローラーを再現!」という企画があったほどインパクトの強かった巨大コントローラーを、現代に復活させたのがこの体験展示です。
名前のとおり本当に大きいため、基本的に左右で分担して操作することになります。画面に映し出されるのはそのハードの人気ゲームですが、かつてボタンが壊れるほど遊んだ名作ゲームも、協力してプレイするとなかなかうまくできません。「左! やっぱり右!」「ジャンプして!」と声をかけながら遊ぶのは大変なものの、それだけに息が合った時の感動も大きいです。
そのゲームを知っている相手と上手なプレイを目指すのも、お互いに未経験のハード&ゲームでかみ合わないプレイをして笑い合うのも楽しい体験展示です。
ザッパー&スコープSP (必要コイン:4枚)
これは巨大スクリーンに登場するクリボーやノコノコといったおなじみのキャラクターを、手にした武器で撃ちまくるガンシューティングです。
与えられた武器はスーファミの周辺機器だった「スーパースコープ」と「ザッパー」。「ザッパー?」と首をひねる方も多いかもしれませんが、これは海外版ファミコン(Nintendo Entertainment System)用のSF的なデザインの光線銃のことです。当時を知っていると、リアルな拳銃のようなデザインだった国内版の光線銃の方が思い出深いかもしれません。ですが、近未来バズーカ風のスーパースコープやゲーム内容との調和を考えれば、ザッパーの採用は妥当な判断でしょう。なお、画面内に撃ち出されるのもペイント弾という設定で、コミカルに楽しめるよう配慮されています。
当時発売された光線銃はブラウン管を前提としているため、懐かしさを感じて引っ張り出してみても(液晶テレビでは)使うことができません。しかし、ここでは新たな仕組みによって見事にその操作感が復活しています。最大13人での同時プレイが可能で、家族や友人以外の当日偶然居合わせた人々と共闘する状況になるのも魅力です。自分のすぐそばに共に喜び悔しがる人々がいて、その顔が見える。それはネットの多人数ゲームでは不可能な、とても愉快な体験です。
ゲーム&ウオッチSP (必要コイン:1枚)
ファミコンの登場以前に、国内・海外で任天堂が大ヒットさせた携帯型液晶ゲーム機が「ゲーム&ウオッチ」です。液晶と言っても、現代のスマホのように自由自在に絵が描けるわけではなく、あらかじめ特定の場所に用意された絵の表示・非表示を切り替えるだけの単純なものでしたが、手の中で動くゲームは当時の子どもたちを熱狂させました。
「ウオッチ」と付いているのは時計機能があったためで、これには「わずかなコストでお得感がある機能を付けられるから」「『ゲーム機じゃなくて時計がほしいだけ』という言い訳ができるから」といった理由があったようです。
実際にこの言い訳は多用されていたわけですが、これはスマホの購入で似たような攻防をしている現代の子どもたちにも共感できる部分があるかもしれません。
当初は「左移動ボタン」「右移動ボタン」のようなシンプルな形だったゲーム&ウオッチの入力部分はやがて十字キーを生み出し、ファミコンに受け継がれていきます。また、ゲームボーイも、ゲーム&ウオッチの「どこでもゲームができる」という発想の延長線上にあります。技術的な面でも業績の面でも、任天堂のゲーム事業に大きな影響を与えた小さな巨人と言えるでしょう。
そんなゲーム&ウオッチの中で活躍したのはモノクロのマイキャラでした。それを自分の影を使って操作できるのがこの体験展示です。敵味方の影絵のようなシルエットが動くゲーム画面に、さらに自分の大きな影が投影されることで絶妙な一体感が生まれます。
現代のような複雑さが無いシンプルなゲーム性も素晴らしく、誰でも気軽に楽しめる体験展示に仕上がっています。
ウルトラハンドSP (必要コイン:1枚)
「ウルトラハンド」は1967年に発売され、100万台以上を売り上げた任天堂の大ヒット商品です。この名前ではピンと来ないかもしれませんが、その姿を見れば一目瞭然、要するに「マジックハンド」です。
ここでは移動していくボールをウルトラハンドでつかみ、土管の中に落とすゲームを体験できます。両手に握ったレバーを近づけるとグイッと伸び、広げると縮むアナログな操作感と、ボールを土管に落とした際のデジタルな演出が爽快なプレイ感を生みます。
もしかすると、ゲーム機にアナログ入力が加わる前に卒業してしまった世代よりも、当たり前のように微妙なアナログ操作に慣れている現代の子どもたちの方が有利かもしれません。
このウルトラハンドを開発した横井軍平氏は、別にヒット製品を発明しようとしたわけではなく、天井の電球を取り替えるのに便利な道具を片手間に作っただけでした。それを当時の社長が目に留めたことから、彼は一躍ヒットメーカーになり、この後もさまざまな任天堂製品に関わっていくことになります。
ウルトラマシンSP (必要コイン:2枚)
ウルトラハンドに続くウルトラシリーズ第二弾は「ウルトラマシン」。やはり名前から機能が想像できませんが、こちらはいわゆるピッチングマシンです。ウルトラというネーミングは、当時まだ熱が冷めやらなかった1964年の東京オリンピックの「ウルトラC」に影響されたもの。1966年放映のウルトラマンもこの単語にヒントを得たという証言がありますから、「ウルトラ=何かものすごい」という共通認識が広まっていたことがうかがえます。
この当時、スポーツと言えばもちろん野球、子どもたちのヒーローはプロ野球選手です。そんな中に登場した家庭用ピッチングマシンは、「明日は僕がホームラン王!」という夢を与えてくれる憧れのおもちゃでした。こちらも横井氏が手がけた製品です。
射出されるのは野球のボールではなく安全に配慮したピンポン玉ですが、小さなくぼみによってストレート以外の球種も投げられるようになっていました。これも横井氏らしい工夫と言えるでしょう。
このウルトラマシンを体験できる展示スペースは、当時の屋内を再現したようなノスタルジックな造りになっています。家の中でバッティング練習に励んだ当時の子どもたちは、さぞ母親に怒られたことでしょうが、ここではあえて打球を家具に当てるのが正解。当てた物により、さまざまなリアクションが楽しめます。
広々とした普通のバッティングセンターでは味わえない、ちょっと変わった体験をしてみましょう。
ラブテスターSP (必要コイン:2枚)
まだ男女が手をつなぐことにも恥じらいがあった1969年に発売された「ラブテスター」は、二人の「愛情度」を測定するというユニークなおもちゃでした。
その方法は「片手で金属のセンサー部分を握り、残りの手を相手とつなぐ」というもの。手をつないだことによってセンサーを握る手のひらに汗をかいたり温度が変わったりすると、それが検知されて愛情度として出力される、というシンプルな仕組みです。
もちろん愛情以外の理由による変化も検知してしまうため、パーティーで使うジョークグッズのようなものですが、開発した横井氏の「男女が手をつなぐきっかけになれば」という想いは実ったのではないでしょうか。
ニンテンドーミュージアムでは、この「手をつないで計測する」という部分を受け継ぎつつ、「内蔵カメラに撮影されながらさまざまなテストをする」という新要素を加えてラブテスターを復活させました。
恋人との愛情度から親子・友人の仲良し度まで、楽しく笑って測れる体験展示です。
しぐれでんSP (必要コイン:2枚)
ディープな任天堂ファンでも「しぐれでん」という名前のゲームやおもちゃは聞いたことが無いのではないでしょうか。それもそのはず、これは任天堂が協力した「小倉百人一首殿堂 時雨殿」という、嵐山の施設の名前を使った体験展示なのです。(※時雨殿は2018年に「嵯峨嵐山文華館」にリニューアルされています)
任天堂のアナログゲームと言えば花札、というイメージがあまりにも強いのですが、百人一首も大切な製品の一つですから、体験展示の一つに選ばれたのもうなずけます。
また、任天堂はゴルフ、麻雀、テニス……と定番ソフトを続けて発売していたファミコン初期でもそれ以降のハードでも、「任天堂の花札」や「マリオの花札」のような自社ブランドのデジタルゲームは販売していません(※実物の「マリオ(絵柄)の花札」はあります)。そのため、他と同じように「花札SP」としてスペシャルバージョンの体験展示が作れなかったという事情もあるのかもしれません。
もちろん他の体験展示と同様、ここもただの百人一首ではありません。床一面のスクリーンに表示された巨大な札の上を歩き、手にした専用スマホをかざすことで取る、という現代の技術を活かした百人一首に挑戦できます。最大参加人数は20人で、見知らぬ相手を含めた熱戦を繰り広げることも可能です。
じっと身構える「静」から札を取る「動」への切り替え、その瞬発力が試される通常の百人一首に対し、こちらはまったく違う動き・別の戦術が試される新たな遊びになります。これまで百人一首で遊んだ経験の無い方にもおすすめしたい体験展示です。
ニンテンドークラシック (必要コイン:1枚)
ファミコン・スーパーファミコン・NINTENDO64で発売されたゲームを80種類以上セレクトし、実際に遊べるようにしてあるのがこの体験展示です。「任天堂の(ゲームの)博物館」というイメージに一番近いのはこれかもしれません。
1プレイにおよそ5~7分という上限があるため、あくまでも「ちょっとした体験」という形になりますが、名前や画像、動画しか知らなかったゲームに実際に触れる良い機会です。
現在は過去のハードのゲームを公式に遊ぶサービスも普及していますが、あちらはある程度の時間やり込む、あるいは一時プレイではなく購入というスタイルです。こちらはそれよりも手軽に試せるのではないでしょうか。
コインが1枚余ってしまった時の消費にも良いですし、他の来館者のプレイを見るだけでも興味深いでしょう。
また、「当時のコントローラーで遊べる」という点も重要です。現代のハードで昔のゲームを遊ぶ時、大きなハードルになるのはコントローラーの違いです。どれだけハードの性能が上がり、画面の中が完璧に再現できるようになっても、この部分だけは再現できません。
素朴ながら味のあるファミコン、一気にボタンの増えたスーファミ、奇抜に見えて合理的なNINTENDO64、それぞれの感触を懐かしんだり、「このマイク何?」とお子様に質問されたりと楽しい時をすごせるはずです。
花札作り&花札遊び体験も!
現代へと続く任天堂の長い歴史は、花札の製造・販売から始まりました。1階ではその花札を作る有料ワークショップ「ちょっと、花札をつくろう」に参加することもできます。片付けまで含めた所要時間はおよそ60分、費用は2,000円で、12か月の中から選んだお好みの絵柄で、花札の色を塗る・折る・貼り合わせるという工程を4枚分体験できます。完成した花札は持ち帰ることができ、世界に一つだけの思い出とお土産を残せます。
隣の「ちょっと、花札で遊ぼう」では1プレイ500円(※必ず2人1組での体験となるため、合計1,000円)で約30分のゲームが楽しめます。採用されているのはよく知られている「花合わせ」をベースとしたもので、高度な画像認識とプロジェクション技術により、ルールを知らない方でも気軽に遊ぶことができます。
カフェやショップも任天堂らしさがいっぱい!
展示を見て回ったり、いくつもの体験展示に挑戦していると、ちょっと一休みしたくなります。そんなときは併設のカフェでエネルギーを補充しましょう。ファンにはたまらないグッズをそろえたショップを訪れるのもおすすめです。
カフェ「ハテナバーガー」でオリジナルバーガーに挑戦!
カフェ「ハテナバーガー」では、自由に具材を選び、お好みのスタイルにカスタマイズできるハンバーガーが人気です。バンズ・ソース・3種類のトッピングをフライドチキンやビーフパティ、ビッグキノコといったメイン食材に絡めた組み合わせの数は、なんと27万を超えます。トッピングでは「万願寺とうがらし」や「九条ネギ」、ソースでは「柴漬けタルタルソース」といった京都らしさを感じさせる選択肢もあり、考えるだけでワクワクしてくるでしょう。
最適な組み合わせを考えるのが面倒、という場合はあらかじめ用意されているものから選ぶこともできます。こちらも「WASABIビーフバーガー」「西京焼きバーガー」「すき焼きバーガー」などバラエティ豊か。世界中のファンや小さなお子様も訪れる施設ということで、野菜だけでまとめた(=ベジタリアンでも安心の)「ビッグキノコバーガー」や、サイズを控えめにした「キッズバーガーセット」といった気配りも万全です。店内に流れる音楽も、もちろん人気ゲームのもの。休憩の時間であっても徹底的に楽しんでもらおうという配慮が感じられます。
限定グッズ満載! ショップ「ボーナスステージ」は宝の山!
ショップの「ボーナスステージ」には、人気ゲームの世界やキャラをモチーフにした、さまざまなオフィシャルグッズが並んでいます。注目したいのは、ここでしか手に入らない限定商品です。
たとえばファミコンやスーファミなど歴代のハードのコントローラーの形をした巨大クッションは厚みがあって座り心地が良さそうですし、中央の突起が特徴的なNintendo64のコントローラーも、クッションになるとなんとも愛嬌があります。
かさばらないお土産を探すなら、ステッカーセットはいかがでしょう。こちらはミニチュア化したハードのパッケージに、本体と人気ゲームのパッケージなどの関連画像を使ったステッカーを詰め込んだアイテムです。ファミコンからSwitchまでのラインナップの中には、海外で販売されたNES・SNES(=スーファミ)や、時代を先取りしすぎた挑戦的なVRマシン「バーチャルボーイ」も含まれています。
同じくパッケージを表紙にしたリングノート、本体やコントローラー(※ディスクシステムはマスコットキャラ)をあしらったボールペン、思い出深いロゴの入ったマグカップといった日常で使えるアイテムもあり、たっぷりと悩みながらお土産選びができます。
中でもニンテンドーミュージアムのロゴ入りオリジナルグッズは訪れた記念にもなるため、優先的に購入を考えたいところ。任天堂への愛が深いほど、買いたいものが増えてしまうでしょう。
現在は人気のあまり購入数の制限が設定されていますが、それでも競争率の高いアイテムは早いもの勝ちです。お目当てのグッズがある場合、館内をゆっくり見てから最後にショップへ……と考えていると、買い逃してしまうかもしれません。入館からどう動くかも、一つのゲームというわけです。
アクセスは電車+徒歩で!
ニンテンドーミュージアム公式サイトのアクセス情報には、「当館はご来場に際して、利用いただける駐車場および駐輪場をご用意しておりません」と明記されています。そのため、自家用車・バイク・自転車の利用は不可能です。
タクシーについても敷地内へ乗り入れることができず、ミュージアム周辺での駐停車も困難なため、「ご遠慮ください」という扱いです。そもそも、こうした移動手段では渋滞や思わぬトラブルによって、予約の時間に間に合わない可能性もあります。
よって、最寄り駅から徒歩またはバスでの移動が基本となります。徒歩圏内には「JR小倉(おぐら)駅」と「近鉄小倉駅」があり、公式サイトで一例として紹介されているのは近鉄小倉駅です。
■京都駅→近鉄京都線(約20分)→近鉄小倉駅→徒歩(約5分)→ニンテンドーミュージアム
所要時間は乗車する列車により、多少変わります。JR小倉駅を利用する方法でも、乗車時間は20~30分程ですが、徒歩は約8分とやや遠い位置に着きますし、駅からニンテンドーミュージアムまでのルートも若干複雑になります。
もう一つ、「宇治駅」からバスで移動するという方法もありますが、こちらは京都駅からの乗車時間がやや短くなるケースもあるものの、バス代がかかるのであまり意味はありません。特別な理由が無ければ、近鉄小倉駅を利用する方法がおすすめです。
入館は予約制! チケットの予約方法と入手のコツ
ニンテンドーミュージアムは、入館日時が指定されたチケットを事前にオンライン購入する予約制となっています。残念ながら、当日フラリと訪れて入ることはできません。予約には「ニンテンドーアカウント」とクレジットカードが必要です。有料サービスの「Nintendo Switch Online」へ加入する必要はありません。
予約の基本は抽選販売
基本となるのは抽選販売で、その月の3ヶ月後のチケットが販売されます。
たとえば旅行を思い立った日が5月1日~末日なら8月1日~末日分の、11月1日~末日なら2月1日~末日分のチケットの抽選に参加できます。申込後、翌月の1日に抽選結果がわかり(※上の例では6月1日や12月1日です)、当選していれば購入手続き。そして予約日時の前日14時から発券処理が行われ、入館手続きに必要なQRコードが入手できる、という流れです。
この抽選販売で売れ残ったチケットや、キャンセルされたチケットは先着順で販売されます。こちらはチケットの日時のおよそ2ヶ月前から販売が開始されます。
つまり2月15日のチケットが売れ残った場合、販売される期間は12月中旬から2月14日となります。実際には先着順は通常の抽選販売よりも競争率がさらに高く、公開直後に一瞬で無くなってしまうことも珍しくありません。
狙った日が偶然売れ残っていたり、キャンセルされるということは考えにくいです。たとえ幸運に恵まれたとしても、そこから厳しい競争に勝たなくてはいけません。ですから、こちらは本当に非常手段と考えるべきでしょう。
現在のチケット料金(※すべて税込み)は次のようになっています。
料金 | |
大人 | 3,300円 |
中学・高校生 | 2,200円 |
小学生 | 1,100円 |
未就学児 | 無料 |
入手のコツや考え方は?
先着順は本当に争奪戦です。公式サイトをこまめにチェックし、チケットが出るのを見逃さないようにするしかありません。SNSで先着順販売の情報が広まることもあるため、可能ならこちらもチェックしたいところです。
通常の抽選についても、夏休みや週末のような人気の時期・曜日をできるだけ避け、根気よく申し込み続けるのが基本です。入館時刻によっても競争率は変わります。
ニンテンドーミュージアムの入館時刻はチケットで決められていますが、退館は自由です(※営業時間は10~19時までです)。しかし、長く滞在できる早い時刻のチケットが必ずしも人気というわけではなく、購入者それぞれの状況によって優先したい入館時刻は違うようです。
たとえば、当日の朝に京都へ行くのか、前日からすでに京都に滞在しているのか。5~6時間ではものたりない任天堂ファンなのか、2~3時間で十分なライトユーザーなのか。その他にもさまざまな事情が絡んでくるため、遅い入館時刻のチケットが常に入手しやすいとは言えません。それでも、全体的な傾向としては「平日の午後は比較的当選しやすい」という声が多いです。午後入館のチケットが当選した場合、午前中は宇治観光をしてみるのも良いかもしれません。
宇治へ行くならぜひこれも! おすすめ観光案内
「京都市内観光は経験していても、ひと手間かかる宇治の観光は未経験」という方は、ニンテンドーミュージアムを訪れるついでに宇治観光もしてみてはいかかがでしょう。
宇治茶を楽しむ
宇治と言えばやはり宇治茶。日本茶の名産地らしく、伝統的な茶室からおしゃれなカフェまで、さまざまな形でお茶を味わうことができます。
カフェを訪れるなら、抹茶パフェやケーキといったお茶にまつわるスイーツをチェックしてみましょう。茶室での茶道体験も、こうした土地でなければなかなか機会が無く、積極的に考えてみたいものです。もちろん、お店で話を聞き、試飲をしながらお土産を選ぶのも楽しい時間です。有名スポットを足早に巡るのではなく、のんびり穏やかな宇治ならではの良さを体感できる、優雅なすごし方です。
平等院で人の情熱を知る
「平等院」は世界遺産「古都京都の文化財」を構成する史跡の一つです。
この平等院の最大の見所は、やはり「鳳凰(ほうおう)堂」。10円硬貨の絵柄で見慣れているはずの構図ですが、池に浮かぶようにたたずむ鳳凰堂の優美な姿と、それが水面に映し出されることで完成する景色は、あなたの声を一瞬奪ってしまうことでしょう。
この光景は、春は桜や藤、秋は紅葉に彩られ、ひときわ鮮やかになります。そして緑が広がる夏、清らかな雪が降り積もる冬と、次の季節が近づく際の移り変わりも見事です。
現代の私たちにとっては、ただただ美しい鳳凰堂ですが、当時の人々にとっては極楽浄土を再現する浄土式庭園の中心的な存在でした。AIもCGもインターネットも無い時代に、彼らはその情熱と努力で、今日まで残る芸術的な景色を生み出したのです。
方眼紙にキャラのドット絵を描いていたような、熱意とアイデアに支えられていた初期のゲーム開発を重ねて説明することで、現代の子どもたちにもそのすごさをわかりやすく教えることができるかもしれません。
源氏物語ミュージアムで古典の良さを知る
ミュージアムつながり、というわけではないのですが、こちらも以前から宇治の観光名所として知られている「源氏物語ミュージアム」を訪れてみるのもおすすめです。
紫式部が織りなした源氏物語には、現代人でも共感できる心情もたびたび描かれています。もちろん、当時との文化の違いを感じさせる部分も多いのですが、遠い昔にも同じように頭を悩ませ、心を痛めた人々がいた、と思うと不思議な気分になります。
そんな源氏物語の世界を視覚的に見せてくれるのがこちらのミュージアムです。光源氏がこの世を去った後の、第二部とも言える「宇治十帖」を中心に、映像展示や模型などによって当時の雰囲気を現代に伝えてくれます。
見た目は最新のゲームにかなわないファミコンのゲームが、その本質・おもしろさという点では負けていないように、古典にも見るべきところがたくさんあるとあらためて教えてくれるミュージアムです。
ゲームのように自由にニンテンドーミュージアムを楽しもう!
最初にお話ししたように、ニンテンドーミュージアムでは、あえて展示の説明を最小限にとどめています。決して説明することが少ないわけではありません。
たとえば、体験展示でたびたび名前が登場した横井軍平氏には、まだまだたくさんのエピソードがあります。現在任天堂の代表取締役フェローを務める宮本茂氏も、「スーパーマリオブラザーズ」と「ゼルダの伝説」という2大作品だけでもゲーム業界全体への影響は計り知れないほどですし、それ以外にも数々の人気ゲームを手がけています。
マリオもゼルダも「過去の名作」ではなく、現在も新作が出るシリーズとしてファミコンからSwitchまで全世代のゲーマーによく知られているわけですから、宮本氏とそのゲームを大きく取り上げ、詳細に解説するという方向性もあったでしょう。
ですが、「あえて語らない・説明しない」というスタンスを貫くことで、ニンテンドーミュージアムは来館者が「語りたくなる・説明したくなる」あるいは「自分で調べたくなる」施設になっています。
かつてのゲーム機戦争・次世代機戦争の激動を共に感じた仲間たちや、その時代を知らない子どもたちと共に訪れ、熱く語り合うのも良いですし、初めて目にしたアイテムやふと思いついた関連性について調べてみるのもおもしろいでしょう。もちろん、そうした任天堂側の意図に縛られる必要もありません。
開発者の手を離れ、棚に並んだゲームと同じように、楽しみ方は手にしたプレイヤー次第。体験展示エリアだけでテーマパークのように遊ぶのも、ショップで宝の山に埋もれてすごすのも自由です。宇治で始まる新たな冒険が、あなたという主人公を待っています。
※本記事内の情報は、すべて2025年5月時点のものです。
【基本情報】
ニンテンドーミュージアム
- 住所:〒611-0042 京都府宇治市小倉町神楽田56
- URL:https://museum.nintendo.com/index.html