やっぱりココは外せません!道後温泉のランドマーク「道後温泉本館」

やっぱりココは外せません!道後温泉のランドマーク「道後温泉本館」

記事作成日: 2015-09-01

道後温泉

道後温泉といえば日本三古湯に数えられる、1000年以上の歴史を持つ名湯です。江戸時代までは湯治場として大いに栄えており、明治時代に行われた道後温泉本館の改修をきっかけに現在のような街並みが整ってきました。
そんな温泉街のシンボルである道後温泉本館、道後温泉に来たなら是非満喫したい!と、このたび3階個室までタップリと体験してきました。

 

明治時代から続く重厚な和風建築

道後温泉本館へは初めて訪れましたが、まずその外観に圧倒されました。
今から100年以上前の明治27年に竣工した木造3階建ての和風建築で、こげ茶色の渋い木材に大きな瓦屋根が幾層にも重なり、入口には「道後温泉」の扁額が飾られています。どっしりとした姿からは歴史と風格がにじみ出ているように感じました。

道後温泉
周辺はアーケード街や温泉街から続くちょっとした広場となっていて、歩きやすく綺麗に整備されています。平日の早朝でしたが本館を訪れる観光客、地元のかたの姿もチラホラ。こちらは朝6時から利用でき、この時は本館天辺にある振鷺閣で、オープンを知らせる太鼓が鳴るのです。
建物をひとしきり見学した後、いよいよ私も入口横の窓口へ向かいました。

道後温泉のシステムにご注意

ここでまず道後温泉の料金システムをご説明します。
「神の湯階下」「神の湯2階」「霊の湯2階」「霊の湯3階個室」と4種類の中から、希望するものを選びます。
「神の湯」「霊の湯」とは浴室の名前で、「2階」とはお茶とお煎餅の出る広間の休憩室、「3階個室」はお茶とお団子、タオル付きの個室のことです。
神の湯に入るだけの「神の湯階下」は410円、湯上りにマッタリくつろげる「霊の湯3階個室」は1550円と内容によって大きく異なりますが、しっかり楽しみたい時からサッとお湯だけ楽しみたい時まで、色々選べるのは嬉しいですね。
注意すべきは入場時間が決まっている点です。個室以外は1時間まで、個室は1時間20分となっています。大勢の人が訪れる施設なのでこれは仕方がないですね。

道後温泉 道後温泉本館2階広間

ゆっくり寛げる3階個室

私が購入した券は「霊の湯3階個室」。ゆかりの深い夏目漱石の俳句や夜の本館写真が載り、ちょっとしたお土産にもなりそうです。値段は高いですが「道後温泉に来たなら」とお考えのかたも多いようで、週末には1時間待ちになるほどの人気です。
入口で検札を受け、天井の高い通路を係りのかたの誘導に従って進みます。館内は中々に複雑な造りで、要所要所に係りのかたが立ち案内をしていました。どうやら購入券による入場場所規制を行っているようで、皆様慣れた様子でテキパキと誘導していました。

道後温泉

2階の休憩広間脇を通り、昔ながらの狭く急な階段を登り3階へ。畳敷きの細い廊下の両側に、外に面した個室が並んでいます。個室の間は壁で仕切られていました。3階には専門の係りのかたが数名居て、こちらで券を見せるとお部屋に案内してくれます。私は1人でしたので小さめの、けれども風通しの良い角部屋に通して頂きました。

道後温泉
昔の木造建築でも、3階まで登ると中々の高さがあります。簾のかかる縁側からはここからしか見えない本館の屋根部分を眺められました。

道後温泉
室内サッパリとした造りながら、明かり窓や縁側の柵、掛花生に文机は上品な意匠が施されています。
個室では専用の浴衣が用意されており、宿から来てきた浴衣を着替えて館内でくつろぐ事ができます。汗をかきやすい夏場にはとても嬉しいサービスです。そしてお昼寝用の小枕まで!さすが歴史ある施設、わかってらっしゃいます。
浴衣に着替えてまずは「霊の湯」に向かいました。

名湯にじっくりつかる

また迷路のような館内を進み、2階で男女別の階段降りると霊の湯の脱衣所です。男性用は浴槽が2つありますが女性用は1つ。それに合わせてか脱衣所と洗い場も想像よりもこじんまりとした印象でした。
花崗岩製の素敵な浴槽からはとうとうとお湯がかけ流して溢れています。洗い場に備え付けのみかん石鹸で身体を洗ってからいよいよ湯船へ。こちらは想像通りの熱さでした…!
窓は締め切り、綺麗な景色が見れる訳ではありませんが、その分お湯につかる事に集中できます。無色透明のサラリとした単純泉は疲労回復や冷え性に効能が期待できるそうです。昔の人もこのお湯で身体を癒したんだなあ…と感慨深いものがありました。
次に神の湯へも入ってみました。こちらは楕円形の広々とした浴槽に高い天井でとっても開放的な雰囲気です。壁画が大きな陶板焼きで造られているのが面白かったです。お湯にしっかりつかろうとしましたが、霊の湯で温まっていたので叶わず…
今度は神の湯に入りに来ようと思いました。

湯上りの坊ちゃん団子♪

道後温泉

神の湯をあがり個室に戻ると、係りのかたがお茶と坊ちゃん団子を持ってきてくれます。高台のついた朱塗りの立派な茶托なんて初めての経験でした。坊ちゃん団子は抹茶・栗・小豆の餡を厚くまとっていて、小さくても食べごたえはじゅうぶん。風の通る和室でお茶とお団子の、ホっと癒されるひと時です。
その後は当然、時間まで畳にゴロリとします。この体勢でなければ見えない景色を楽しみ、お湯に入った身体をゆったり休めました。これで傍らに好きな本でもあれば言うことなしですね。

最後は又新殿を見学

道後温泉

時間前同じく3階にある「坊ちゃんの間」を見学した後、身支度を整えて本館入口の反対側にある「又新殿」を見学しました。3階個室の利用者は無料ですが、それ以外は260円が必要です。

道後温泉
こちらは明治に現在の本館に改修した際、皇族など身分の高い人を迎える施設が道後に無い、と後から増築された建物で、門や玄関も別に造られています。実際に使われたのは10回ほどだそうで、周囲に立派な宿が揃った現在は
文化財として保存されるようになりました。
天皇陛下が泊まる事にも備えて、御簾付きの玉座の間や桐材三枚板の天井、砂敷きの和式便所、専用浴室なども造られました。襖絵や欄間などの細かな意匠はとても見事で、和風建築の技術の粋が集められています。
私が見事と思ったのは、浴槽用のくり抜かれた大岩です。四国は日本の中でも良質な石材の産地ですが、ここまで大きな岩をこんなに綺麗に整えられるのか!と驚きました。
道後温泉本館へはお湯を目当てというかたばかりでしょうが、是非又新殿も見学してみてください。ガイドさんがつきっきりで、とても詳しく説明してくれます。

 

 

ayamocha

この記事を書いた人 ayamocha

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旅が好き&出張の多い仕事のため、国内あちこちに出没しています。たまに海外へも行きます。目下の目標は47都道府県全てを訪れることです(あと2県!)。最近は御朱印集めにもハマっています。各地の楽しい情報をみなさまにお届けしていきます。

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