東京五輪後になくなる!?今のうちに行っておきたい独特な球場「明治神宮球場」

東京五輪後になくなる!?今のうちに行っておきたい独特な球場「明治神宮球場」

記事作成日: 2016-02-22

東京五輪後になくなる!?今のうちに行っておきたい独特な球場「明治神宮球場」

世界に類を見ない球場

秩父宮ラグビー場と、今は取り壊された国立競技場との間にある明治神宮球場。ご存知のとおり、プロ野球(NPB)のセントラル・リーグ、東京ヤクルト・スワローズの本拠地です。

普通、プロ野球の本拠地球場は球団の親会社が所有していたり、自治体が建設したもの、あるいは私企業や第三セクターが管理運営していて球団がレンタルしているケースがほとんどですが、明治神宮球場の場合はその名のとおり所有者は明治神宮、即ち宗教法人なのです。こんなプロ野球本拠地球場は、アメリカのメジャー・リーグも含めて世界にも類を見ないでしょう。

それだけに、他の球場では考えられない、独自の歴史を歩んできたのです。

学生野球のメッカ

神宮球場は前述のように東京ヤクルトの本拠地ですが、東京六大学野球をはじめとする大学野球でも多く使用されていることで知られています。というよりも、元々神宮球場は学生野球のために建てられた球場でした。

神宮球場が完成したのは1926年(大正15年)のことです。神宮球場建設の際、東京六大学連盟が多額の寄付をしました。それが大学野球を優先する原因にもなったのです。

戦前にプロ野球が発足しても、神宮球場を使用することはありませんでした。明治神宮が運営する神聖な球場を、営利目的のプロが使用するのはケシカラン、という風潮が強かったのです。

戦後になって、プロの使用が解禁

戦後になり、神宮球場はプロ野球でも使用されるようになりました。ただ、当時の日本にはプロ野球に対するアレルギーがまだ強かったので、本拠地になるのはまだまだ先でした。

でも1962年(昭和37年)には東映フライヤーズ(現:北海道日本ハム・ファイターズ)が、1964年(昭和39年)には東京ヤクルトの前身である国鉄スワローズが神宮球場を本拠地としました。

しかし、学生野球優先の方針は変わらず、1978年(昭和53年)にヤクルトが初優勝したにもかかわらず大学野球が優先されて、日本シリーズは後楽園球場を借りて行われました。

変わりゆく神宮球場

大学野球とプロ野球を併用するようになって、グラウンド整備が悩みの種となりました。昼は大学野球、夜はプロ野球を行うので、とても整備が追い付かなかったのです。

そこで、1982年(昭和57年)には全面人工芝になりました。また、その2年前の1980年(昭和55年)にはプロに相応しい電光掲示板のスコアボードに生まれ変わっています。

近代化した神宮球場ですがその分、伝統的な雰囲気が無くなったのは否めません。ただし、スタンド内部などはまだレトロな雰囲気が残っていて、伝統的な味が今でも楽しめるカレーライスやうどんは根強い人気を誇っています。

レトロな雰囲気が残る、明治神宮球場の正門。「宮」の字には真ん中の線がない
東京五輪後になくなる!?今のうちに行っておきたい独特な球場「明治神宮球場」

今年がチャンス!の神宮球場

昨年、東京ヤクルトはセ・リーグ制覇を成し遂げました。プロに対するアレルギーも無くなり、神宮球場で堂々と日本シリーズも行われました。流行語大賞にもなった「トリプルスリー」を達成した山田哲人をはじめ、首位打者の川端慎吾や打点王の畠山和洋など、好選手が目白押しです。

今年、神宮球場に行けば、連覇を狙うヤクルトの名物「傘応援」や「東京音頭」で大盛り上がりできるでしょう。また、年俸アップ(?)を勝ち取ったつば九郎のパフォーマンスも見ものです。

選手との距離が近いのも神宮球場の特徴で、ブルペンはファウル・ゾーンにあるため、スタンドから投球練習が見られます。

また、普通の球場ではベンチからロッカールームに直結していますが、神宮球場は古い球場のため、選手は試合が終わるとスタンド脇を通ってクラブハウスに引き上げます。その際、選手たちを間近で見られるわけですね。こんな球場は、もう神宮球場しか残っていません。

せっかく神宮球場に行くからには、大学野球も楽しみたいものです。前述のように昼は大学、夜はプロが行われる日もあるので、1日中野球を楽しめることもあるのです。ただし、大学野球が終わってからは一旦球場外に出なければなりませんが。

大学野球が行われる明治神宮球場
東京五輪後になくなる!?今のうちに行っておきたい独特な球場「明治神宮球場」

また、高校野球の東京大会や社会人野球でも使用されます。ある意味、野球稼働率が最も高い球場かも知れませんね。

神宮球場が取り壊される!?

近代的な球場となった神宮球場ですが、実は内部は老朽化が進んでいます。2020年に東京オリンピックが開催されるのは周知のとおりですが、それが終わると神宮球場は取り壊される予定なのです。

まずは、五輪開催前に隣りの秩父宮ラグビー場を解体し、その跡地に新・神宮球場を建設します。それが終わると、神宮球場を取り壊して新ラグビー場を建てるわけです。つまり、神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替える計画です。

まだ数年先の話ですが、今のうちに伝統ある明治神宮球場に行っておきましょう。場所は東京のド真ん中、東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩約5分という、抜群のアクセスです。

安威川敏樹

この記事を書いた人 安威川敏樹

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大阪府在住。作業関連機器の設計から、スポーツを中心としたライター・コラムニストに転身。野球雑誌等に寄稿の他、電子本に野球小説を執筆。野球の独立リーグでの公式記録員の経験あり。野球以外では、ラグビー雑誌にも寄稿。モットーは「文字をオモチャにして遊ぶ」。

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