この記事を書いた人 安威川敏樹
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日本最古の溜め池・狭山池!早咲きの桜をはじめ魅力満載
記事更新日: 2016-03-10
ここは池?それとも湖?
狭山池、と聞くと、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。「え?湖じゃなくて、池なの!?」と思う人がほとんどでしょう。
たしかに、埼玉県の西武プリンスドーム近くには狭山湖という湖(人造湖)があります。しかし、今回ご紹介するのはそれとは全く別の、大阪にある池です。
大阪府南部に位置する小さな市・大阪狭山市。1987年に狭山町から市制施行された比較的新しい市で、埼玉県に狭山市があるため頭に「大阪」が付きました。堺市と富田林市に挟まれ、また大阪市方面へ向かう国道310号線が通っているため、交通量が非常に多いベッドタウンになっています。
渋滞が絶えない道路から見える大きな池、それが狭山池です。人口密度が高い市の中で、市民にとって憩いの場になっています。
私事で恐縮ですが、幼少時にはこの近くに住んでいて、その頃は狭山池の畔にさやま遊園という遊園地があり、よく遊びに行っていたものです。さらに、筆者が生まれる遥か前の昭和30年頃にはボートレースまで行われていたという、およそ池らしからぬ活用をされていたそうです。現在はどちらも閉鎖されています。
かつては遊園地と競艇場があった狭山池↓
聖徳太子の時代からあった日本最古のダム
狭山池は日本最古の貯水池としても知られています。その起源は飛鳥時代の616年頃、即ち聖徳太子の時代で、今年は築造1400年の記念事業が行われるようです。
当時の河内国(現在の大阪府東部)南西部には大きな川がなく水不足に悩まされ、水の確保が不可欠でした。そこで近くを流れる川の水を堰き止め、今でいうダムのような物を造ったと言います。それが現在の狭山池です。そんな遥か古(いにしえ)の時代からダム工事を行っていたとは驚きですね。
狭山池の北側には、大阪府立狭山池博物館があります。安藤忠雄デザインのユニークな建物の中には、狭山池の歴史物が展示されています。入場無料ですので、興味がある方は行ってみるといいでしょう。
安藤忠雄が設計した狭山池博物館↓
狭山池を彩る桜
狭山池は歴史が古いだけではありません。桜の名所でもあります。池の周りには多数の桜が植えられており、桜並木が池を囲んでいます。
特にお勧めは池の北側に植えられているコシノヒガンですね。狭山池のコシノヒガンは、大阪の桜としては早咲きで、花見を待ちきれない人にとっては持って来いです。また、博物館近くにはユキヤナギが植えられており、コシノヒガンとのコントラストは絶妙です。
博物館近くのコシノヒガンとユキヤナギ↓
コシノヒガンが満開となる3月下旬頃には、お弁当を広げて花見を楽しむ市民が大勢います。とはいえ、大阪市内のように壮絶な場所の取り合いなどはなさそうなので、穴場とも言えるでしょう。ただし、バーベキューは禁止されており、売店などもないようなので、飲食物持参の方がいいでしょう。
また、筆者は行ったことがありませんが、4月上旬には夜桜の予定もあるそうです。ライトアップされた桜も見逃せませんね。
満開を迎えたコシノヒガンと、北のエリアで花見を楽しむ市民↓
早咲きとなる北側のコシノヒガンに対して、南側にはソメイヨシノも植えられています。こちらはコシノヒガンよりも開花は遅め、というか標準ですね。かつては遊園地があった東のエリアでも花見を楽しむ人が多いようです。
昔、さやま遊園があった狭山池の東側↓
さらに、4月中旬が見頃となる遅咲きのヤエザクラもあります。長い期間、桜を楽しめるわけですね。
狭山池へGO!
狭山池へのアクセスは、南海電鉄高野線の難波駅から河内長野、三日市町、林間田園都市方面行きの区間急行に乗って約25分(高野線の快速急行および急行乗車の場合は北野田駅で各停に乗り換え)、大阪狭山市駅で下車してすぐの所にあります。
駐車場もありますが、花見の季節は満車になることが多いので、公共交通機関のご利用をお勧めします。それに、車だとせっかくの花見なのにお酒も呑めませんしね(笑)。