この記事を書いた人 トリッパー編集部
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「屋久島でトレッキングをしよう」
記事作成日: 2015-07-28
鹿児島の観光名所の屋久島は、豊かで美しい自然が多く残る場所で、世界遺産にも登録されています。その自然を満喫できるトレッキングツアーが人気で、多くの観光客が訪れています。それでは屋久島トレッキングの魅力をお伝えします。
様々な景色と出会えるトレッキング
屋久島はそのほとんどが山地で、数多くの山々が連なっています。特に九州地方最高峰の宮之浦岳は標高約2000メートルもあり、訪れる場所によって様々な動植物を見たり、違った景色を楽しんだりできることが魅力です。
屋久島の登山口からほど近い小杉谷では、大きな岩が無造作に転がっていて、荒々しく自然の力強さを感じられるような景色が見られます。
また白谷川の上流の白谷雲水峡辺りでは、木々や岩が苔に覆われ、霧がかった幻想的な景色を見ることができます。
選ぶコースによって見られる景色が異なるので、何度訪れても違った魅力を感じられるのが、屋久島トレッキングの魅力です。
島の歴史を物語るトロッコ道
荒川登山口から縄文杉を目指すコースでは、その半分以上がトロッコ軌道になっています。トロッコ軌道が登山道になっているのは珍しく、初めて訪れた方は不思議に思うかもしれません。そのトロッコ軌道からは、屋久島の歴史を知ることができます。
江戸時代頃から屋久杉は資材として注目され始め、明治から大正にかけて国有林化が進みました。トロッコは大正12年に、伐採した屋久杉を運ぶために安房から小杉谷で開通しました。その後、敗戦からの復興や経済成長を目指し国の森林事業も本格化して、多くの屋久杉が伐採されてきました。それに伴ってトロッコも路線を拡大してきましたが、輸入材の増加や森林を守る活動の活発化から、昭和44年に運行終了となりました。
現在は物資や土埋木などの運搬に使われています。運が良ければトロッコに出会えるかもしれません。
荒川登山口から縄文杉までの見どころ
荒川登山口から縄文杉を目指す中級者向きのコースには、様々な見どころがあります。その見どころをいくつかご紹介します。
登山口からなだらかなトロッコ軌道を8キロ程歩いて行くと、登山道の大株歩道入口に着きます。その入口あたりに見どころの一つ、扇杉があります。様々な植物が巻き付いていて、緑の美しい大木です。現在は倒れてしまっているものの、残った株からもその迫力が伝わるでしょう。
【扇杉】
扇杉のすぐ近くに、ウィルソン株があります。ウィルソン株は屋久杉の切り株で、その周囲は13.8メートルもあり、内部に入って空を見上げることもできます。
【ウィルソン株】
しばらく登山道を進むと、大王杉が見えてきます。斜面にたつ大木で、人が楽に入れそうな大きさの割れ目が特徴です。
【大王杉】
そして縄文杉に到着です。その樹齢は2000年~7200年とも言われ、確認されている屋久杉の中では最大です。ずっしりと太い幹が特徴的で、迫力があります。
【縄文杉】
往復で10時間程の長いトレッキングですが、きっと疲れも吹き飛ぶような感動的な景色が見られるはずです。屋久島でトレッキングしてみてはいかがでしょう。