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豊の国 古代からの歴史をいざなう宇佐
記事作成日: 2015-09-07
古代より大分県中津市から宇佐市あたりは豊の国と呼ばれていました。豊とは食物が確保でき、恵まれた場所で、大陸の様々最新技術が集まり文化が華開いたといえます。
伊勢神宮と同じ時代に創建された宇佐神宮はその象徴です。今回は悠久の歴史を今に伝える宇佐をご紹介します。
■飛鳥~白鳳時代の古代文化
北九州・小倉からほぼ真南に下ると香春町があります。香春岳の麓には奈良時代から銅を採取していた採銅所があり、そこでは採掘跡を見ることができます。
ここの採銅所は歴史が古く、奈良の大仏鋳造の際にも供出したというから驚きです。また、香春岳の麓に銅採取技術を持った渡来人(大陸から渡ってきた人)の神が祀られているという説もある香春神社があります。
さらに宇佐地方に行くと仏教寺院の遺跡がたくさんあります。虚空蔵寺跡は奈良時代に創建された宇佐で一番古い寺院跡です。当時は法隆寺式の伽藍配置を持った広大な寺域であったのだそうです。
他に法鏡寺廃寺、 小倉(おぐら)ノ池廃寺 、 四日市廃寺 、 弥勒寺(みろくじ) など、この地には本当にたくさんの寺院があります。
この時代に宇佐地方になぜこんなに仏教文化が隆盛したのかは歴史の謎の一つとされています。
■国宝 宇佐神宮
広大な森の中には725年に創建された宇佐神宮があります。現在の建物は国宝にも指定されているほどです。この宇佐神宮は全国に約4万社の八幡神社の総本山です。
ここから京都岩清水八幡宮、鎌倉の鶴岡八幡宮など広がっていったのだといいます。歴史の古さもさることながら社格は伊勢神宮に次ぐ全国トップクラス。
今でも天皇陛下の勅使が来られる、まさに格式の高いお寺なのです。大きな鳥居を三つも通り、石段を何度も登ると、おその頂きに本殿があります。
赤く塗られた本殿の姿は圧巻です。さて、宇佐神宮でのお参り作法は、二礼四拍一礼で一般的な参拝の方法とは異なっていますから気をつけてくださいね。その理由は現地でお参りして確かめてみてください。
■神秘に包まれた宇佐
飛鳥、白鳳、天平の時代に隆盛を極め、時代の流れとともにしずかに遺跡となってしまった寺院が数多くあります。
また、日本人が神の祀る原点に触れるような宇佐神宮はそれらの寺院ともまた違う強い力を感じる場所でもあります。
この地は、とても神秘的な目に見えないパワーが降り注いでくるようなエリアです。一度訪れてみてはいかがでしょうか。