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白谷雲水峡・太鼓岩徹底ガイド アクセス・見所
記事更新日: 2016-04-01
縄文杉で有名な屋久島ですが、その自然の独自性はそれだけにとどまりません。屋久島は世界自然遺産にも選ばれるほどの豊かな自然を誇っており、なかでも白谷雲水峡は、古から育まれてきた苔むす森の光景が魅力の原生林です。
423.73ヘクタールの広大な面積の自然休養林には、ジブリ映画「もののけ姫」の舞台のモデルとなったことでも知られる幻想的な世界が広がっています。もちろん、杉もたくさん鑑賞できますよ。これから行こうかなと考えていた方だけではなく、屋久島に対して杉のイメージしか持っていない方にはぜひ見てほしい、白谷雲水峡の魅力やアクセス、見どころなどをここでは詳しくご紹介していきます。
目次
絶対行っておきたい見どころ3選!
・苔むす森
「もののけ姫の森」とも呼ばれる、白谷雲水峡でも人気のあるスポットです。
作中の「こだま」などのキャラクターが、今にもひょっこりと顔を覗かせそうなファンタジックな光景が広がります。樹木以外も全てが、やわらかく深い緑の苔に覆われた森は心落ち着く空間です。
・七本杉
強風で幹が折れた後、その先端から7本の大きな枝が空を覆うように手を伸ばし、独特の姿をしていることで人気の屋久杉です。
人間の寿命なんてちっぽけに思えるくらい長い長い時間をかけて育まれてきたその姿には、畏敬の念を抱くほどです。他にも多くのユニークな杉が白谷雲水峡では見られます。
・太鼓岩
白谷雲水峡に来たら、ぜひ一度は行っておきたいスポットがこの太鼓岩。
大きな花崗岩が山の斜面から突出している場所です。鬱蒼とした森を出て、スコーンと抜けた空や屋久島の森を一望しながら休憩する時間は格別です。
白谷雲水峡基本情報
白谷雲水峡
- 住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町
- アクセス:路線バス 宮之浦港⇒白谷雲水峡(終点)まで約40分、下車すぐ(※12月1日~2月末日まで運休)
- 休み:年中無休(※冬季は雪の状況で通行止めあり)
- 入山協力金:300円(高校生以上)
- 駐車場:約20台(駐車料金・無料)
- 電話番号:0997-42-0100(屋久島町役場)
白谷雲水峡までのアクセス・行き方
・路線バス
宮之浦港バス停(宮之浦バス停・宮之浦港入口)から、白谷雲水峡行きのバスに乗車します。まつばんだ交通と種子島屋久島交通の2社が運行しています。運賃は550円です。
路線バスは本数も少ないので、時間をしっかりチェックしましょう。時刻表は参考までに以下を造りましたが、変更されることもあるので出発前には常に最新のものをチェックして下さい。
白谷雲水峡行きの時刻表
宮之浦港⇒白谷雲水峡 バス時刻表(2016年3月時点) | |||||
- | ま | 種・屋 | 種・屋 | 種・屋 | 種・屋 |
宮之浦港 | 08:15 | 08:20 | 10:20 | 14:00 | 15:30 |
白谷雲水峡 | 08:45 | 08:55 | 10:55 | 14:35 | 16:05 |
白谷雲水峡帰りの時刻表
白谷雲水峡⇒宮之浦港 バス時刻表(2016年3月時点) | |||||
- | 種・屋 | ま | 種・屋 | 種・屋 | 種・屋 |
白谷雲水峡 | 09:00 | 09:45 | 11:40 | 14:40 | 16:10 |
宮之浦港 | 09:35 | 09:35 | 12:15 | 15:15 | 16:45 |
※ ま = まつばんだ交通 種・屋 = 種子島・屋久島交通
・レンタカー
屋久島にはレンタカー屋さんがいくつかあります。飛行場、宮之浦港、安房港の近くにあるので自分がどのルートで屋久島に到着するのかを確かめてから予約しておきましょう。
白谷雲水峡の駐車場は約20台駐車可能で、料金は無料です。早朝からのトレッキングや、白谷雲水峡以外もめぐりたいと考えているなら、レンタカーでの移動がやはり便利ですね。
・プロのサポートで安心なガイドツアーによる送迎
自然に不慣れだったり、やっぱり体力が心配…という人や、屋久島について詳しく知りたい!という人は、ガイドツアーに参加するのもアリです!自分の体力や見たい場所などを伝えれば、ぴったりなコースを選んでくれますし、プロのガイドが付いているので天候の急変などの不測の事態にも安心感があります。
苔むす森を見るコースでは約3時間程度で済むものもあり、時間があまりない人にもオススメ。もちろん、たっぷり時間を取って見どころをしっかりめぐるツアーもありますよ。
豊富な知識を持ったガイドに、屋久島の歴史やコース上の動植物について詳しく教えてもらいながら鑑賞すると一味も二味も違って見えてきます。宿泊先や空港・港への送迎をしているツアー会社も多く、荷物預かりもしてもらえます。また、レインウェアなどのレンタルが出来たりもするので、気軽に参加できるのもいいですね。
選べる3つのコースとそれぞれの見どころ
弥生杉コース(約1時間)
白谷広場⇒白たえの滝⇒憩いの大岩⇒弥生杉⇒苔河原⇒二代大杉⇒苔河原⇒飛竜落とし⇒白谷広場
・白谷広場
白谷雲水峡の入口です。すべてのトレッキングはここからスタートします。トイレは必ずここでひとまず済ましておきましょう。
・白たえの滝
入口手前の白谷橋から見ることができます。落差は10m。美しい水の流れと緑のコントラストに目を奪われ、白谷雲水峡が「水源の森百選」のひとつであることもうなずけます。
・憩いの大岩
屋久島を形作るのは花崗岩。憩いの大岩もその名の通り非常に巨大な花崗岩でできていて、白谷雲水峡の入口ともなるスポットです。トレッキングをするにはいわば入口とも言えるここを越えていかなければなりませんが、花崗岩は意外と滑らないので思ったより歩きにくいことはありません。
・弥生杉
入口から500mほど行ったところで見られる、最も訪問しやすい大きな屋久杉です。樹齢は3000年とも言われています。
・二代大杉
白谷雲水峡では最大級の屋久杉です。二代杉は、腐った一代目の杉の根の上に二代目が育つ「倒木更新」がされたものを言います。空洞化した根本を見ると、倒木更新の様子がわかりやすいです。樹高も高く、太い根のどっしりした姿がパワフルな迫力ある杉です。
・苔河原
樹木だけじゃなく、岩までもが苔に覆われた河原です。深くみずみずしい苔の緑と清流が、白谷雲水峡の幽玄な雰囲気へと誘ってくれます。
・飛竜落とし
屋久島では降雨量の多さから、太古からの雨で侵食された岩に滝が多数見られます。飛竜落としは原生林歩道からすぐ横を流れる迫力ある滝で、記念撮影スポットとしても人気です。特に雨で増水した後、落差50mを流れ落ちる様子は壮観です。滝の付近は自然のクーラーのようにすがすがしい涼しさがあり、行程の疲れを癒やすのにもぴったりです。
奉行杉コース(約3時間)
白谷広場⇒⇒白たえの滝⇒憩いの大岩⇒さつき吊橋⇒楠川歩道⇒奉行杉⇒びびんこ杉⇒三本足杉⇒二代大杉⇒(引き返し)⇒白谷広場
・さつき吊橋
白谷川本流が見られる吊橋です。吊橋の名前ともなっているサツキ以外にも、季節の花々が楽しめるスポットです。
・楠川歩道
花崗岩が敷かれた楠川歩道は、江戸時代に作られたと言われています。すべりにくい花崗岩の性質を利用した歩道です。かつて江戸時代にこの道を手作業で整備した人たちが居る、と考えながら歩くのも、面白いものです。
・奉行杉
白谷雲水峡最大の屋久杉、奉行杉。どっしりとした幹には苔が表面を覆い、多くの着生植物が根を張り、この森の王者のような風格を備えています。材木として使えるかをチェックした、江戸時代の試し切り跡が歩道側の幹に残っています。
・びびんこ杉
「親子二代が肩車をしている」ような様子から、鹿児島方言で「肩車」を意味する「びびんこ」の名が付けられたほほえましい名前の杉。樹齢は300年ほどですが、名前だけでなく形も面白く、これからも長くその歴史を刻んでいってほしい杉です。
・三本足杉
名前の通り、根っこが三本の脚のように張り出してている三本足杉。こちらも、枯死した一代目の親木の上に、それを抱くように二代目の杉が育っていったもので、倒木更新の様子を観察できます。姿が特徴的なこともあり、人気の杉のひとつとなっています。
太鼓岩往復コース(約6時間)
白谷広場⇒⇒白たえの滝⇒憩いの大岩⇒さつき吊橋⇒楠川歩道⇒くぐり杉⇒白谷小屋⇒七本杉⇒苔むす森⇒辻峠⇒太鼓岩⇒(引き返し)⇒白谷広場
・くぐり杉
根が分かれ、地面から高くせり上がっているので、その下を人間がくぐれることから、くぐり杉と呼ばれています。パワースポットとしても人気で、くぐるとご利益があるというウワサもあります。あなたも試してみては?
・白谷小屋
無人の避難小屋となっています。男女共同ではありますが、トイレがあります。
・七本杉
強風で折れた幹の先端が、7つに分かれてそれぞれの方向へ大きく広がるように腕を伸ばしています。独特の育ち方と、見応えのある姿は必見。ツタなどの着生植物に覆われた幹は非常にどっしりしていて、折れてもなお、ここまで育ち続ける圧倒的な生命力に、思わず息を飲んでしまいます。
・苔むす森
もののけ姫の舞台のモデルとなったことでも有名になり、数多くの観光客が訪れる場所です。白谷雲水峡を代表するスポットのひとつと言ってもいい、幻想的な森です。悠久の時を感じ、日常を忘れて過ごしたくなる場所です。すべてが深く美しい緑に覆われ、まるで森がひとつの生き物のような姿を見せています。時間にせかされることなく、ゆっくり物思いにふけりたいスポットですね。
・辻峠
広場のようになっていて、休憩を取る人も多い辻峠。ここで昼食をとってもいいですし、後の太鼓岩の上で食べるのもいいものです。
・太鼓岩
苔むす森から奥へ進むと、山道の先にある太鼓岩。森の斜面に突出した、巨大な花崗岩の一部です。たどりついた人を「来てよかった」と言わしめるほどの大パノラマが楽しめる場所です。さきほどまでの鬱蒼とした森では見られなかった大空を仰ぎ、屋久島の森が一望できるので爽快!この太鼓岩の上で食べるお弁当は格別です!
散策時の注意点
気をつけたいポイントは、大きく分けて二つ。「自然を壊さない」「無茶をしない」ということです。
▲自然破壊をしないこと
もののけ姫の効果もあって、屋久島を訪れる観光客は近年、非常に多くなっています。人がたくさん来るということは、それだけありのままの姿の自然保全が難しくなるということです。これだけの貴重な自然を持つ屋久島を、これからも次代へ、さらにその次へと受け継いでいくにはひとりひとりの意識がとても大切です。意図的に壊しているつもりがなくても、根っこの土を踏み固めてしまったりなど、人間が立ち入るだけで自然にとって負担となっている場合が多々あります。立入禁止になっているところにはけっして入っていかないことです。ゴミの持ち帰りはもちろん、携帯トイレやビニール袋を持っていき、トイレのない場所での万一の場合にも備えておきましょう。
▲ケガのないように
屋久島では突然に天候が変わることも大いにあります。事故やケガのないよう、体力を過信して無茶をしないことが大事です。また、速乾性のある化繊などのジャージ、リュックサック、上下の雨具、登山靴、軍手、水筒など服装や持ち物もしっかり気をつけて無理のないトレッキングを心がけましょう。
さいごに
白谷雲水峡は太古の日本を思わせるような、不思議な雰囲気に満ちたスポットです。苔むした木々や河原は、都会での日常をすっかりわすれさせてくれそうですね。ガイドツアーなどもあり安心してトレッキングできますし、はじめての方も一度は訪れてみたい場所です。ぜひあなたも幻想的な森を体験しに行ってみませんか?
おまけ 白谷雲水峡絶景写真
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