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たまには船旅はいかが?九州~四国間をフェリーで移動する
記事更新日: 2024-06-06
九州と四国方面への旅行計画を立てるとき、この2つの地域はどうしても別々に考えがちですよね。
それぞれ各県に空港はあるし、鉄道ですと四国は瀬戸大橋線、九州は関門大橋。どうしても大きく迂回しなくてはならず、自家用車でなければ中々一緒に周ろうとは思わないでしょう。
しかしここに船旅を加えたら?九州・四国間には瀬戸内海や豊予海峡を連絡するフェリー路線があり、地域の重要な交通手段となっています。
フェリーというと時間がかかるのでは?という印象がありますが、最短で1時間10分、最長で7時間です。
本数が少ないのでは?というご心配もごもっとも。最多で1時間おきに出発する路線があります。
便利なのは車の場合でしょう?そんな事はありません。鉄道旅の場合も、発着港から駅までのアクセスが良い航路があります。
運行路線は?
九州~四国間の連絡フェリー(貨物を除く)には、
①別府~八幡浜
②臼杵~八幡浜
③佐伯~宿毛(現在運休中)
④佐賀関~三崎
⑤小倉~松山
以上5つの航路があります。それぞれ簡単に時間・料金等をご紹介します。
①別府港(大分県)~八幡浜港(愛媛県)
宇和島運輸フェリーが1日6便で運行しています。乗船時間は約2時間50分です。別府港、八幡浜港どちらも最寄駅からの路線バスがあり、タクシーでも2km未満の距離です。
料金は2等席4,200円が最安値です。車両運搬の場合は3m未満10,300円~。この場合運転手分の2等席料金を含んでいますので、1人旅の場合は追加料金が発生しません(これはどのフェリーでも共通のシステムです)。
2等客室はカーペット敷の広々としたスペースに、乗客が思い思いの場所に陣取ります。指定制ではありません。ロビーやその他にも広くて座り心地の良いソファや椅子がありますので、そちらで過ごす人も多いです。
プライベートな時間を確保したいのなら特等客室がおすすめです。1等席・特等客室専用の入口が設けられており、特等客室は個室でベッドが備わったゆったりとした造りで、大きな窓もあるので景色が存分に楽しめます。
宇和島運輸フェリー
https://www.uwajimaunyu.co.jp/
②臼杵港(大分県)~八幡浜港
宇和島運輸フェリーと九四オレンジフェリーの2社が、それぞれ1日7便で運行しています。乗船時間は2時間25分です。
臼杵港から最寄りの臼杵駅までは1kmほど、徒歩圏内ですがタクシー利用がラクです。また臼杵市街地の観光エリアにほど近いので、観光後すぐにフェリーに乗れる点も魅力です。
料金は2等席3,200円が最安値です。車両運搬の場合は3m未満9,300円から。これは2社共通です。宇和島運輸フェリーでは、別府便と同じ船を使っています。
九四フェリーの2等席はカーペット敷エリアの他に椅子席エリアがあります。また展望ロビーのスカイラウンジでも座席が多く設けられています。1等席は全て個室となっており、中には綺麗な畳敷きの和室もあります。2等席料金にプラスして客室使用料(定員6名)を支払う、というシステムになっています。
九四オレンジフェリー
https://www.orange-ferry.co.jp/
③佐伯港(大分県)~片島港(高知県宿毛市)※現在運休中
宿毛フェリー
http://www.sukumoferry.com/index.htm
※現在、宿毛フェリーは運航休止となっております。
④佐賀関港(大分県)~三崎港(愛媛県)
国道九四フェリーが1日17便で運行しています。九州・四国間のいちばん狭いエリアを通る路線なので、乗船時間は1時間10分ととても短いです。
但し鉄道旅での利用にはあまりおすすめできません。
佐賀関港から最寄駅の幸崎駅までは、1時間に1本以上の路線バスが運行しているほか、大分駅前から1時間20分ほどで着く特急バスもあります。しかし三崎港から最寄りの八幡浜駅まで路線バスは無く、八幡浜駅を経由する松山市への特急バスが1日3本のみ。時間も八幡浜1時間強、松山市までは2時間40分もかかります。ちょっと変わった旅がしたいなあという時以外には、このルートは利用しない方が無難です。
代わりに車利用の場合はとても安くて便利です。何せ7時から23時まで1時間おきに出航しており、車両料金も3m未満5,700円~。四国最西端の佐田岬や、半島の尾根筋から海を眺めるドライブが楽しめます。
客席は一般席と展望席があり基本は椅子席です。一般席は1,200円、展望席は1,700円です。
国道九四フェリー
https://www.koku94.jp/
⑤小倉港(福岡県)~松山観光港(愛媛県)
松山・小倉フェリーが1日1便運行しています。(※2024年7月1日より、1日おきの隔日運行となります)
唯一の夜行便で乗船時間は7時間強、それぞれの港を21時55分に出発して、翌朝5時に到着します。早朝着便なので、朝7時まで船内で休憩できます。
小倉港へは小倉駅新幹線口から徒歩10分程度です。博多から小倉港までの直行バスも運行しています。松山観光港からは最寄りの伊予鉄道高浜駅までバスが15分おきに運行しており、松山市街地までの直行バスも出ています。呉や広島への船が出る大きなターミナルです。
夜行便ですので客室は寝台が基本です。2等の最安席はカーペットスペースですが指定制で、自分のスペースが必ず確保できて、10,200円で利用できます。車両運搬料金は3m未満18,200円~となります。
夜の長い船旅を寛いで過ごせるよう、船内には大浴場、売店、充実の自販機と様々備わっています。
松山・小倉フェリー
http://www.matsuyama-kokuraferry.co.jp/index.shtml
臼杵港~八幡浜港間で実際乗ってみた
先日九州を訪れる事が決まったとき、是非フェリーを使ったルートで四国へ渡りたい!と、鹿児島~大分間で鉄道旅を楽しんだ後、臼杵港~八幡浜港の宇和島運輸フェリーに乗船しました。
事前に確認したところ、車が無いなら出航5分前までに来てくれれば良いですよ~、とのお話でしたので、臼杵駅に出航30分前に着く電車に乗ってタクシーで港へ、と移動しました。ところが当日は九州では大雨で、雨がひどくないエリアでも遅れが出るという状態…本当に乗船5分前に窓口で券を買う事になるとは思いませんでした。
無事に2等客室へ落ち着き、窓際に陣取って海を眺めながらカーペットに足を伸ばします。乗客が自由に使えるマクラクッションがたくさんあって、平日で乗客が少ないので2個お借りしてゴロゴロ。豊予海峡は波も穏やかだし、売店で買ったお菓子を食べながらマッタリ過ごす事ができました。
景色はというと、臼杵湾の島々を過ぎてすぐに佐田岬半島が見えてきます。この海岸線を眺めながら過ごせるので、ただ海ばかりの船旅よりも時間が短く感じ、下船の時はもっと乗っていたいなとも思ってしまいました。
国内旅行というと飛行機、鉄道、車が主流で、船といえば瀬戸内海や離島で…というイメージが強いですが、たまにはフェリーを便利に使った旅もいかがでしょうか?